第117回 吉祥寺の街にも影響アリ?都市計画道路「外環ノ2」に迫る!
















新虎通り

東京都環状線計画の1つで、新橋~虎の門間1.4㎞が2014年3月29日15時に開通、公募の結果、新虎通りと名付けられました。都心を車で運転される方には「外堀通りが新橋まで繋がった」と言った方がわかりいいかもしれませんね。

吉祥寺からだと、井の頭通りから和泉交差点へ。国道20号(甲州街道)で新宿、御苑トンネルを抜け、四谷交差点で迎賓館方面へ右折。赤坂見附を通り特許庁前から、今回開通した新虎通りに入り新橋・汐留に至るイメージですね。

計画では、さらに有明や国際展示場方面まで繋がります。

新宿外苑と湾岸部を繋ぐ道路ということで、晴海を中心に開発される東京オリンピック選手村と国立競技場を繋ぐ大動脈と言われています。またBlog de 吉祥寺流では、吉祥寺に程近い武蔵野大学の武蔵野キャンパスと有明キャンパスをつなぐ大動脈ということになりますが。

ここからはBlog de 吉祥寺最後の特集「外環ノ2」です!





さて、この新虎通り、別名は「環状第2号線」という名前。

いわゆる「環二」。馴染みがある「環七」「環八」の都道仲間で、皇居を中心に同心円状に計画、または付け替えされた複数の都市計画道路の1つ、ということになります。

ちなみに東京都の環状道路と言えば、

 ① 東京都市計画道路幹線街路環状第1号線(≒内掘通り)
 ② 東京都市計画道路幹線街路環状第2号線(≒外堀通り)
 ③ 東京都道319号環状三号線(≒外苑東通り&目白通り) 
 ④ 東京都市計画道路幹線街路環状第4号線(≒山手通り)
 ⑤ 東京都市計画道路幹線街路環状第5号線
     環状第5の1号線(環5ノ1) 
     環状第5の2号線(環5ノ2)(≒明治通り)
 ⑥ 東京都道317号環状六号線(≒山手通り)
 ⑦ 東京都道318号環状七号線(環七)
 ⑧ 東京都道311号環状八号線(環八)


の8本があります。

環七環八というと固有名詞みたいですが、1号から府番された都市計画幹線街路であり、たまたま供用が早く、私たちの生活に馴染んでしまっただけ、ということになります。

ちなみに「供用が早かった」というと少々誤解を生むかもしれません。

環七、環八の計画時期は遥か古く、今から100年前の昭和2年、当時の内務省(≒現総務省)による「大東京都市計画道路」まで遡ります。その後、昭和12年の「東京都市計画概要」には両者は計画レベルで記載されていました。
















出典:東京市監査局都市計画課,「東京都市計画概要」,1937年3月



第二次世界大戦終戦後、幣原内閣の元で設置されたのが「戦災復興院」。
その戦災復興院起草により終戦後4か月足らずで閣議決定された「戦災地復興計画基本方針」では、

(1) 街路
主要幹線街路ノ幅員ハ(中略)必要ノ個所ニハ幅員50米乃至100米ノ広路又ハ広場ヲ配置シ利用上防災及美観ノ構成ヲ兼ネシムルコト


とされ、環七・環八共に幅員100mクラスの景観街路として計画されました。























幅員100mクラスの景観街路

といえば名古屋の久屋大通りや広島の平和大通りがあります。中央分離帯に緑地を整備して、延焼防止と都市環境保全の両方に寄与しようという計画ですね。そしてこの時、環七・環八と合わせて計画されたのが冒頭の「新虎通り」こと環状2号線でした。

ただし、これらは都道。事業主は戦災復興院ではなく東京都です。

残念ながら、当時の東京都知事(安井誠一郎氏)の、これらの計画に寄せる関心は高いとは言えず、道路幅は大幅に狭められ今に至っています。そして結局、新虎通りは約70年の歳月と計画変更を経て、ようやく開通に至りました。

ちなみに、幅員100m道路は前述の安井都政でほとんど無くなりましたが、文京区にある播磨坂(環状3号線)にその名残を見ることができます。


















さて

環状8号線の外側にも環状道路はあるのでしょうか。

東京都のみならず首都圏を環状に回る道路としては国道16号線(東京環状)があります。ただし東西に長い東京都ですから、東京都内に限れば環状に組める都市計画道路は限られており、それより西側、つまり多摩地区などにおいては「南北道路」となります。

環八と国道16号線間には次の南北道路が供用/計画/事業化されています。

 9  多摩南北道路1号線(調布保谷線)(≒武蔵境通り)
 10 多摩南北道路2号線(府中清瀬線)(≒新小金井街道)
 11 多摩南北道路3号線(府中所沢線・鎌倉街道線)
         (≒府中街道/鎌倉街道)
 12 多摩南北道路4号線(立川東大和線)
 13 多摩南北道路5号線(八王子村山線)



















出典:東京都都市整備局


なお、3号線の小平市部は「都市計画道路3・2・8号府中所沢線」という名前。

覚えていらっしゃる方も多いと思いますが、昨年2013年4月に小平市による住民投票で都市計画道路整備の是非が問われた件につながっていきます。この件は、Blog de 吉祥寺でも、東山道武蔵路の復活 vs 玉川上水という壮大な1000年戦争、という視点で特集しました。

■参照 Blog de 吉祥寺 
     
1000年の歴史!?小平市の道路整備と玉川上水を巡る住民投票に迫る! 
     
http://www.kichijoji-city.com/2013/05/1000.html
























出典:朝日新聞



さらに、都道のみならず

道路は都道の他、国土交通省が所管する国道や高速道路などもあります。
それらの東京都関連の環状道路と言えば、

 首都高速都心環状線(≒環状三号線)
 --------------------------------------- 
 14 首都高速中央環状線(≒環状六号線)
 15 東京外環自動車道
 16 首都圏中央連絡自動車道


となります。都心環状線は同心円の「中心」と考え、残る3路線は「3環状」と呼ばれていますね。





出典:国土交通省


このように、東京には都の所管する都道と、本省の所管する国道・高速道路が混じり、広大な「環状道路ネットワーク」を構成する計画になっています。

ちなみに、これらに投じられる資金は半端ではありません

新虎通りの事業費は1.4㎞の整備と再開発を含めて約2700億円以上。環七(52.5㎞)は1兆2000億円環八(44.2km)は5000億円と言われています(Wikipedia)。65歳以下の国民1人当たり医療費を年間約16万円で仮定すると、この新虎通りの事業費、実に120万人分の医療費に相当します。

Blog de 吉祥寺としては必要な事業には資金を投じるべきとのスタンスです。いたずらに賛否を煽る訳ではありませんが、現実として都市部幹線整備に、その規模のコストを要する点は触れておくべきでしょう。

また、事業費についてさらにkmあたりに換算すると、やはり新虎通りのような供用開始が新しい道路ほど事業費がかかる、という構図は確かですね。戦後復興期であればともかく、既にある現在の市街地に幹線道路を整備するということは、それだけ多大なコストと膨大な時間がかかる、ということになります。



















さて

今回の特集はこれらの環状道路ネットワーク全体に光をあてようという訳ではなく、その中の1本の道路に着目してみたいと思います。

それは上記のリストにはありませんが、環八の外側、多摩南北道路1号線の内側に1966年に計画決定された

東京都市計画道路幹線街路 外郭環状線ノ2

という道路のことです。リストの15番に東京外環自動車道があるじゃないか!という方もいらっしゃると思いますが、実はこの道路、外環とは異なります。この点、かなり誤解されていると思いますので、この点も整理したいですね。

この道路整備、今、吉祥寺を揺るがすトピックの一つになっています。

賛成の方、反対の方それぞれがいらっしゃる訳ですが、今回のBlog de 吉祥寺ではフラットな視点で、この道路の行方を追ってみることにしましょう。