第5回 吉祥寺前バス停とは!?。吉祥寺と駒澤大学、そして諏訪大社との関係を紐解く!


























吉祥寺前バス停!?


ということで「吉祥寺前バス停」。そんなバス停あるのかって?あります。よく見慣れた&聞きなれた「吉祥寺駅」バス停じゃあなく「吉祥寺前」とは。


もうお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、実はここ、場所は武蔵野市ではなく23区の文京区、御茶ノ水からバスで10分ほど、東京メトロ南北線の本駒込駅から徒歩1~2分の場所にあるバス停なんですね。吉祥寺には「吉祥寺」というお寺は無い、というの皆さんご存知と思いますが、この文京区にはその名も「吉祥寺」というお寺があります。





























さて、このお寺、正式には「曹洞宗 諏訪山吉祥寺」というお寺。なぜ諏訪山なのかといえば、このお寺ができたのは1458年。日本では戦国時代が始まる1467年の応仁の乱の約10年前、世界ではオスマントルコ帝国が東ローマ帝国を滅ぼし、世界帝国への足掛かりをつかみつつある、とそんな時代。

後に江戸城を築城した大田道灌さんが、現在の和田堀(丸の内のちょっと皇居側)に井戸を掘ったところ、そこから「吉祥増上」と刻印された金印を発見したんです。「これは縁起が良いぞ」とそれにあやかって作られたのが吉祥庵という小さなお寺、正式には西の丸の諏訪神社の社地に作られたので「諏訪山吉祥庵」と名付けられたんですね。



■15世紀(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/15%E4%B8%96%E7%B4%80
 
その後、時の足利将軍に迎えられていた「青巌周陽」さんという著名な和尚(おしょう)さんが「諏訪山吉祥寺」に改名した後に、1591年、徳川家康による江戸城の拡張により神田山に移ったわけですが、約20000坪の敷地はとにかく広く、今の水道橋は、その頃は「吉祥橋」と呼ばれ、吉祥寺の門前橋だったんですね。

その頃の歴史を紐解けば、今の総武線の駅名も、水道橋ならぬ「吉祥橋」駅になっていたかもしれません。ともあれ、その後、江戸時代の大火事で神田・水道橋から、今の本駒込に移設されたんです。ちなみに、箱根に「大雄山」という山がありますが、そこの最乗寺の孫寺という位置付けです。


■大雄山最乗寺

http://www.daiyuuzan.or.jp/

伊豆箱根鉄道大雄山線大雄山駅からバスで10分。さらに徒歩5分。
























ちなみにこの吉祥寺にあったのが「栴檀林」という学校。仏教で「修行所」という意味なのですが、これが「曹洞宗大学」になり、現在の箱根駅伝でも有名な駒澤大学になったんですね。今でも当時の修行の跡がうかがえる「経堂(仏教の経典を保管する建物)」が残っています。



■曹洞宗大学(駒沢大学HP)
http://www.komazawa-u.ac.jp/cms/daigakusi09/
 
さて、なぜに吉祥寺というお寺の話をしたかといいますと、もうお気づきの方も多いとは思いますが、この吉祥寺の門前に住んでいた人たちが江戸時代の大火事(明暦の大火)で、ここから移住、移住先として選んだのが、以前Blog de 吉祥寺で特集した「札野」、すなわち現在の「武蔵野」だった訳です。

お寺の無い吉祥寺の名前のルーツはこのお寺にあったんですね。



ということで、もし1458年に大田道灌さんが和田堀のその場所に井戸を掘っていなければ、はたまた掘った井戸の底から「吉祥増上」の印を見つけ出していなければ、今の吉祥寺の街はなかったかもしれません。また、吉祥寺と駒澤大学や、箱根の名刹 大雄山、諏訪神社との関係もなかなか見逃せない史実です。


さて今日は9月12日(日)、吉祥寺では「吉祥寺秋まつり」が盛大に行われています。武蔵野八幡宮を中心に、いつつものお神輿がサンロードやダイヤ街を練り歩くという勇壮なお祭りです。

























実は、この吉祥寺秋祭りの当日、この本駒込にある「吉祥寺」のお寺の周りに広がる片町町会、通称「吉片」町会のお祭りの日です。お神輿が街を練り歩く様をみると、お祭りの多い時期とはいえ、何か共通のルーツを感じざるをえません。山車を引いた子供達には袋一杯のお菓子が配られるのも同じスタイルですね。どこか不思議な風景です。



あと、この吉祥寺。かの二宮尊徳の墓所でもあったりするとても広大なお寺です(なんでも敷地が18000坪弱あるんだとか)。吉祥寺駅からJR飯田橋駅乗換え、東京メトロ南北線の本駒込駅で下車、30~40分でいけちゃいますので、ぜひ足を運んでみてください。


■文京区ホームページ
http://www.city.bunkyo.lg.jp/visitor_kanko_jisha_kichijoji.html