第74回 2017年の開園100周年に向けて!井の頭公園の歴史を追う(1)








第29回全国都市緑化フェアTOKYO

ということで、今年も9月、残暑が続き、吉祥寺の井の頭公園水辺にも避暑と憩いを求めて多くの人が来園してますね。井の頭公園といえば以前ブログでも特集した「西園」の再整備計画


現在どうなっているの?と言えば、無事に西園全体の整備計画(基本計画)が東京都公園審議会の答申を経て策定された様ですね。パブコメでも多くの方が意見を寄せた結果、当初の整備計画がやや修正されている様で(このあたりは今後ブログ上で検証予定です)。


■写真出典:第29回全国都市緑化フェアTOKYO第2回総会資料

        (整備計画図)




で、コンセプトは「健康と文化を育む、スポーツ・交流空間の森」だとか。そもそも西園は「文化の森ゾーン・グリーンフィットネスゾーン」と公園で位置づけられていたんですね。知りませんでした。よく考えれば確かに競技場(400mトラック)、テニスコート(6面)などスポーツ施設が完備されていますが。



■全国都市緑化フェアって何?


さて、この西園整備を一時中断して、現在準備が進められてるのが「第29回全国都市緑化フェアTOKYO」なるイベント。今月9月29日から約1か月間の開催だとか。日比谷公園、上野恩賜公園などの各公園と併催になるんですね。そしてこのイベントのテーマが「ふれあいとにぎわい、交流の風」。「武蔵野の景という「場所性」、秋という「季節性」にこだわり、日常生活の中で花とみどりの価値・機能を五感で感じること」とかで。


主催は東京都財団法人都市緑化機構。提唱は国土交通省とのことで、結局、東京都建設局、都市緑化機構も国土交通省OBが役員に在籍されている様で、実質的には国土交通省濃度の高いイベントなんでしょうか。ちなみに実行委員長は東京都知事の石原慎太郎さんですね。


平成21年12月4日
総務省
各府省等からの再就職者が5代以上続いている

独立行政法人・特殊法人等・公益法人の役職に関する府省庁によるあっせん有無等
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/02jinji02_000022.html




そもそも、この「全国都市緑化フェア」とは、昭和57年に都計審(都市計画中央審議会)の答申に基づいて「緑ゆたかな街づくり」をコンセプトに運営されているイベントなんだそうで。昭和58年からほぼ毎年実施されてるんですが、昭和59年に東京でも一度開催されてます。しかしその時は井の頭恩賜公園は会場に入りませんでした。なので井の頭公園では初イベントということになります。


気になる開催予算ですが約15億円東京都は約2億円支出しています。現在は会場整備中ですが、この元になったのが会場設計。設計業務には1億2700万円強を支出しているんですが、このうち会場設計業務を受託されているのが


 株式会社プレック研究所
 株式会社ヘッズ東京支店
 株式会社ライフ計画事務所
 株式会社グラック共同提案体


という4社(と呼びます)さんの様ですね。


いずれも環境系のイベントの実施設計で植栽演出などを得意とされているコンサルタント会社なんだとか。ちなみに株式会社ヘッズの代表取締役会長の大塚守康さんは本イベントの実行委員会のメンバでもいらっしゃいます。


あとこの4社さんはいずれも「社団法人ランドスケープコンサルタンツ協会」に所属。そして、この協会の幹部には日本公園緑地協会 東京都公園協会という本イベントと無関係では無さそうな皆さんが並び、ある意味インタラクティブな感じ。先ほどの大塚さんも実行委員会名簿上は「社団法人ランドスケープコンサルタンツ協会会長」の肩書だったんで見逃しそうになりました
















■写真出典:第29回全国都市緑化フェアTOKYO第2回 基本設計資料



この基本計画、もちろんプロのランドスケープコンサルタントさんが設計されたもので、とても美しくキレイには作られています。これは素晴らしいのですが、一方で切り口が各地のイベント転戦で使い込まれた「通り一遍」の印象も否めません。



■井の頭公園・武蔵野でやることの意味を


特にコンセプトで「武蔵野の景」を謳いつつ、まさに武蔵野の緑を語るに欠かせない玉川上水については、会場隣接にも関わらず計画ほとんど組み込まれていない様子。たしかに今や史跡として文部科学省の色濃い玉川上水、事実はわかりませんが提唱役の国交省とのセクショナリズム的な匂いが、とまで言えば穿った見方すぎますでしょうか。わずかに語られている玉川上水「緑道」は東京都建設局や自治体の所管です。


あとフェアの骨子が「緑ゆたかな街づくり」ならば、その「街の地域性=吉祥寺・井の頭公園・武蔵野」の織り込みがあまりに少ない様に見えます。地方税を投じての開催なのに残念。ランドスケープは手段でありパーツのはず。


あとは忘れてはいけないのが、会場整備における環境配慮の問題。エシカル(倫理的~環境配慮)を掲げている同イベントですが、御殿山エリアで、この地域固有の植物への配慮に欠ける整備を行おうとしていたんだとか。ただしこちらは心ある方たちの活動のおかげで軌道修正され初めているんだとか。




















■写真出典:井の頭恩賜公園西園整備計画図


ということで


今回のBlog de 吉祥寺。別にこの「第29回全国都市緑化フェアTOKYO」をテーマにしようという訳ではありません。冒頭でも名前があがりましたが、舞台は2017年に設立100周年を迎える「井の頭恩賜公園」がテーマ。


今でこそ「全国都市緑化フェア」の様に、行政がコンサルタントに基本設計を依頼して、というのは時代の流れなのかもしれません。


しかし実は、彼らの大先輩たる明治大正の東京都の「公園マン」や、その支援者たちは「諸外国に負けない郊外公園を作ろう」「公園整備において地域を生かそう」という熱い想いを胸に、手足を動かして井の頭恩賜公園を計画・設計・開園させていたんですね。そのあたりを詳しく追ってみることにしましょう。